どこに向かうのか

もうただのオタクの日記。適当なことと根拠がないことばかり書くので、あまりあてにしないでください。お手柔らかに。

『Altar Boyz』を観劇して

 

 

お久しぶりです。しがないオタクです。

 

news.kstyle.com

 

 

今回は舞台『Altar Boyz』を観劇しての感想をまとめていきたいと思います。

韓国での上演だったのでサイトでチケットを購入し生配信を見ました。初めてのオンライン観劇でしたが、意外とスムーズに、快適に観ることができたと思います。今では便利なことに日本語字幕が元々ついているのですね。とっても親切設計。他の韓国舞台も機会があれば観てみたいです。

観劇中はオンラインなので好きなときに飲んだりちょっと動いたりできて逆に落ち着かないなんてことも……。会場で見ているときは余計な物事を考えずに目の前の舞台上にだけ注目できるので、それはそれでメリットだと思いました。舞台観劇に限らず、その場に行かないと感じられない非現実的体験ってこういうことなんでしょう。

なにはともあれ私としては久しぶりの舞台観劇でして、めちゃくちゃにテンションが上がっておりました。

いつものごとく備忘録です。うろ覚えで適当なことしか言っていませんのでご注意ください。

 

 


 

 

『Altar Boyz』とは?

2004年9月にニューヨークにある47番街劇場にて初演を迎えた。2005年3月からオフ・ブロードウェイにて開幕し、2010年1月に閉幕するまで2000回以上の公演を行ったオフ・ブロードウェイにおいて歴代9位に入るロングラン作品である。2005年には「ベストオブ・オフ ブロードウェイ賞」を受賞したり、各国でアレンジされながら未だに上演が続いている、人気の高い演目。

 

・あらすじ

ここはとあるライブハウス。キリスト教信者で構成された5人組グループ「Altar Boyz(アルターボーイズ)」がコンサート「レイズ・ザ・プレイス」を開催している。このコンサートでは神の教えを歌やダンスに合わせてAltar Boyzが世界に届け、汚れた魂を浄化していく。コンサート活動をしながら世界を回る中、最終公演は今回の舞台である、韓国の都市ソウル。

汚れた魂の数を数値化できるという「ソウルセンサー」を使いながら、5人は果たして会場内にあるすべての魂を救うことができるのか……?

 

・特徴

ミュージカルとしては珍しく、まるで本当のライブに来たかのような形式で進んでいきます。ロックやダンスナンバー、バラードやラテン、MCがあったりしていろいろな味が楽しめる作品だ。私がよく言う「日替わり」要素は、告白の時間というコーナー。

SNSや会場のお客さんたちから募った告白(懺悔)を聞き、ボーイズが答えるというもの。お悩み相談的なものから、本物の懺悔まで幅広く取り扱っている。内容は同じだったり違ったり?ここは日本語字幕が付かないので、聞こえてくる単語を拾って断片的に意味を理解して楽しんでいます。

お財布を忘れた~!って言ってヒョンに牛肉をおごってもらったけど、実は持ってました……のネタかわいすぎて言葉失っちゃったよ。

 

・注意点

これはあらすじからも分かるようにカトリック教を題材にした舞台なので、そこの基礎知識がないとちょっと「?」ってなるところがあるかも。

例えば、ユダヤ人であるエイブラハム(アブラハム)がこのアルターボーイズに所属している点。ユダヤ人の祖先であるとされているキリストの使徒のひとり、「ユダ」が裏切り者(キリストの敵)であり、その思想に基づいたユダヤ人迫害等の歴史を知らないと、その不自然さというか異質さ、また回想中の他4人の態度にも理解が及ばないだろうと思いました。

でも、もしかしたらアメリカでの公演と違ってキリスト教に馴染みがあまり深くないことを考慮されて内容を少し変更されているかもしれないので、あまり気負いせず観てみることをおすすめします。

 

 


 

 

私がなぜこの舞台と出会ったかというと、我らがSUPER JUNIORのウニョクさんが演出を担当されることになったからです。これまで自分のグループのコンサート等の演出を手がけてきたウニョクさんがついに舞台演出まで!自分のことのように嬉しくて、絶対に観たい!とチケットをとりました。

本家というか、オフ・ブロードウェイでの『Altar Boyz』を観たことがないので比較したくてもできないのが少し残念ですが、ウニョクさんの演出した箇所というか、彼の手が加わった部分はなんとなく透けて見えるので、舞台にあまり興味がないというウニョクペンさんでも一度この『Altar Boyz』を観劇してみてほしいです。

私は実際に観てみて、ウニョクさんはどうしてこうもファン思いなのかと頭を抱えた事案がありました。皆さんも観たらきっと分かります!!だから何度でも言います。ウニョクさんのファンの方ほど、観てほしい!!

彼はきっと『Altar Boyz』のファンでもなく、キャラクターを演じる5人のファンでもないかもしれない、演出家 SUPER JUNIORのウニョクのファンだからという理由でこの舞台を見に来てくれる人がいるかもしれない、と考えてくれたのかな。もしそうだとしたら、本当に貴方はすごい人。私はこうやって毎回貴方に好きを重ねていく。

 

 

 

実際に観劇をしてみて

100分というミュージカルの中で言えば軽めな上演時間ということもあり、サクッと観られたと思います。最初の観劇ではあっさり終わった感もありましたが、回を重ねるごとに細かい発見ができて面白い舞台だなという印象です。ストーリーが理解出来ればあとは演者の表現だったり、舞台構成だったりに目を向けられるので、これは複数回観た方が楽しいと思います。

あと、生バンドの演奏なので音楽が非常に良い。画面越しでも臨場感があって、ボーイズの歌声ともしっかり調和している感じがしました。打ち込みにはない些細な表現とか、その場の雰囲気に合わせたビートとか、生ってやっぱりいい。個人的にはミュージカルにおいての音楽って絶対に外せない部分で、どれだけ内容が良くても音楽が残念だとミュージカルとして成り立たないような気がするんですよね。

今回は演者の皆様が各グループの中でもメインボーカル級で歌が上手い方たちばかりということもあり、余計に音楽(歌)に注目する人が多いかと。マーク役のホン・ジュチャンさん。私今回初めてじっくり歌を聴いたのですが、高音が綺麗すぎてソロ曲の時に大泣きしました。こんなに綺麗にロングトーンが出せるのか……と最初は驚きの方が大きかったのですが、だんだんと表情とか、感情が歌声に乗っていくのを観て、感激のあまり泣いていました。マークという難しい役どころを良く理解しながら、自分のものにしたのだろう苦労が垣間見えましたね。

 

さて、役に関して少し触れたので、これから観劇される方に向けて(と言ってもあと2公演しかないのですが……)各キャラクターの紹介をしておきたいと思います。これとあらすじが入っていれば内容に置いて行かれることはないと思います。

 

  • マシュー
  • マーク
  • ルーク
  • フアン
  • エイブラハム

 

こちらの5人で構成されるアルターボーイズですが、彼らの出会いは様々です。教会で出会ったり、元々知り合いだったり……。これに関しては回想があるので、明言を避けます。

 

まず、このグループのリーダーであるマシューはザ・リーダーという感じの正義感が強く、みんなをまとめるお兄さんのような存在。時にお母さんのような優しいまなざしでメンバーを見守るのも好き。誠実で真面目、そして自分の歩むべき道をまっすぐ進んでいこうとするその前向きな姿勢に心を打たれるのです。人々の悲しい魂を自分たちの歌で救ってみせる、という自信に満ちあふれたマシューに着いていくメンバー。また、アルターボーイズの曲は彼が作っています。キャッチーでポップな彼の曲に乗せ、神の教えは世界に広がっていきます。

 

次に、優しい歌声が特徴のマーク。ダンスの振り付けを担当しています。そして、彼には周りの子どもたちにからかわれてきた悲しい過去があります。最近ではマイノリティに対して多くの理解が示され、偏見が減ってきているように思います。彼はそんなマイノリティ側の人間であり、「女々しい」と罵られながら酷い仕打ちを受けてきました。そんな過去を告白するマークのソロ曲「Epiphany」では、自然と感情移入してしまう。過去を乗り越え、他人の心を救うためにありのままの自分をさらけ出せる、そんな強くて優しいマークが幸せになれますように。

 

素敵な笑顔と親しみやすい雰囲気のルークですが、アルターボーイズとして活動する前は相当なワルだったようです。「入院していた」のくだりで分かるとおり、彼は更生施設に入るほど荒れていた時代があったそう。そんな彼も今ではすっかり神の教えを胸に、人々を救うために力を振り絞っています。また、ちょっと頭の回転が遅いのか、話す言葉に詰まったり、一生懸命自分の気持ちを話したのにマシューに「結局ルークが言いたいのは……」と要約されてしまったり。でもそんなルークの愛らしさやコミカルさに私たちは心惹かれていくのでしょうね。

 

いつも情熱的なフアンは自分を置いてどこかに行ってしまった母と父を探しながら人々の魂を救済している、メキシコ出身の男の子。日本での公演ではメキシコ訛りを表現するために関西弁を話していたそうですが、今回の韓国公演では訛りがあるのでしょうか?方言と言えば釜山という私の安易な考えはさておき、有識者の方がもしいらっしゃいましたら教えていただけると幸いです。彼はこのグループの衣装担当。きらびやかで熱いフアンの日陰になるのは、両親との記憶がないという事実。自分の足で今も必死に両親を探すフアンを支える4人は、彼にサプライズを用意していました。果たしてそのサプライズは成功するのでしょうか……?

 

最後は、曲中に「彼はユダヤ人!」と紹介される、出オチ感満載 愛すべきエイブラハム。彼はひょんな事からアルターボーイズとして活動をすることになり、マシューが作った曲に詩を書いています。ふわふわとしてつかみ所のない愛らしいキャラクターですが、彼は常に自分の居場所を探しているよう。本当にここにいていいのか、不安に思いながらもそばにいてくれる4人のことを本当に大切に思い、まるで家族のように信頼しています。エイブラハムがアルターボーイズとして神の言葉を人々に届ける間、彼を救ってくれるのは同じ舞台に立つ4人なのです。なんて健気なんでしょうか……。

 

 


 

 

こんな素敵な5人で構成されたアルターボーイズのコンサートに、是非一度お越しください。疲れた悲しい魂を彼らの歌とダンスで癒やしてもらいに。

 

12月18日から始まったこの舞台も、残すところ2公演となりました。韓国では今コロナ感染者が増え、舞台など大人数を収容して行われるイベントにも時間制限がかけられています。連日満席状態のこの公演が、このまま何事もなく、安全に終わってくれることを祈っています。演者の皆様、スタッフの皆様、健康に気をつけて最後のその日まで私たちに素敵な物語を届けてください。

 

千秋楽が終わって、また何か書きたいことが増えれば再度まとめたいと思います。

それではまた。